受験生は「地域医療は大事!」というキーワードレベルの理解はありますが、実際には地域医療がどのように行われていて、どんな難しさややりがいがあるのかを知らないことがほとんどです。漠然と地域の診療所での診察や訪問診療などを行っていることはわかっていても、具体的なイメージを持てないことが課題です。

 

都市部や農村部、山間部、離島など、ひとくちに「地域」と言っても、そこでの医療の現状や実践は多様です。それぞれの地域で包括ケアの仕組みをつくる努力をしていますが、保健・福祉・医療において独自の実践があり、その掛け算は生徒たちがイメージするよりもずっと多様であることを理解していく必要があります。地域に根ざして、ひとりひとりの人間を診ると同時に、その暮らしや家族、つながりを診て、その集まりとして地域全体をみていく。そういった取り組みのなかで試行錯誤する医療人たちの姿を知り、それを素材にして、自分はどの地域で、どんな医療人としてありたいのかを考えていくことが大事です。

 

医療人の先輩たちの実践報告を聞き、そこからヒントを得て、GVで学ぶ仲間たちと意見交換することを通じて、自分のキャリアを考えていく機会として今回の企画が作られています。また、考えていくプロセスの中で将来像を言語化し、それが学びのモチベーションにもつながっていきます。

 

 

Q.実際にGVではどんな事をしたの?

2日間に分けて、合計で20人近い医師の報告を聞くことになりました。医師としてのキャリアを見つめなおすこと、へき地・地域医療の歴史、地域コミュニティに根ざしたケアの実践、保健所と診療所の連携、保健所長のコロナ禍での組織づくりとリーダーシップの発揮、紛争地域における医療、離島での医師としてのキャリアつくりなど様々なテーマがありました。

 

最後に改めて、2日間の学会で学んできたことを振り返る時間をとりました。考えたこと、感じたことなど、自分の中に起こった変化を言語化して、まとめていきます。そのまとめたことをグループで発表して、共有していきました。自分の学びを言語化していくことで、自分なりの「ことば」を得ることができます。

塾で同じ目標を持って取り組む仲間の思いを聞くことで、自分の考えを深めたり、自分には無い視点を得ることで視野を広げていきます。また、目標を同じくするメンバーとの共有の時間は、互いに刺激になり学ぶ意欲を深めるとともに、仲間としての意識をつくることになります。これが、1年間の浪人生活を学びぬくことの支えになっていきます。

 

Q.実際に参加した生徒たちはどうでしたか?

①沖縄尚学卒 マジキナさん

初めてこのような医療現場で活躍されてる医師の方々のお話を聞くことができて、勉強に対するやる気も上がったし、前よりも私自身のなりたい医師像というのが具体的に考えれるようになったと思います。

 

その中で最も心に残ったことは、事例から学ぶコミュニティケアという項目です。私は将来沖縄で医師として働きたいと思ってます。その上で沖縄の医療問題の解決に貢献していきたいと考えます。沖縄の医療問題とはすなわち生活習慣病の方々が多いなどと言うことにあります。

 

生活習慣病などは無理に患者さんに治療を強いることで、患者さんのQOLを下げてしまうことにもなりうることから、医師が患者さんの心に寄り添い信頼関係を築いていくことが解決につながると考えています。この「コミュニティケア」と言う考え方では医療を患者さんに押し売りしたりするのではなく、信頼関係を築いて生活習慣の改善を促したりするところが将来の自分の医師として働く上での大きな指針になりうると思いました。

Q.GV生同士で学ぶことはどうでしたか?
同じ医学部志望の人たちが、こう言う考えを持ってるんだとか将来どうなりたいんだとか言ったことが知れて刺激になったしとてもよかった。日頃から医療について考えるのは私たち医学部志望の受験生にとっていいことだと思うのでこれからもたまにやってほしいなぁと思いました。

 

②沖縄尚学卒 ヒガさん

率直に言ってとてもタメになりました。どういうところがタメになったかというと「地域医療」というテーマに対して、具体化することができた点です。私は「地域医療」を、今までは漠然と”地域で医療行為または医療活動を行うこと”と考えていました。

 

しかし、学会に参加してみて、”多様な範囲をもつコミュニティでの活動を通してあらゆる地域住民と信頼関係を育み、医療的側面が必要になったときまでに予め備えること”なのではないか、という風に明確な輪郭をもって捉えることができるようになりました。

 

また、COVIDに関連のある公衆衛生を学ぶ必要性を「へき地医療」で活動してきた医師目線で聴くことによって、情報という重みを実感しました。洪水などの災害であったり、マラリアであったり、紛争地域での活動であったり、きっと日常生活の中でも。情報はさまざまな重要な局面で人の命を救うための手段となり得るのでしょう。
医療の世界で今何が問題になっているのか。過去にその問題をどのように解決し、それを次世代に繋げ、未来でどのような形にして発展していくのか。「へき地・地域医療」の講義から学んだことを心に刻み、患者さんの価値観を大切にし、医療や患者さんへの熱情から構想、決定し、行動に移す。そのような理想の看護師像へ近づくためにも目の前の勉強を頑張りたいと思いました。

Q.GV生同士で学ぶことはどうでしたか?
学会に参加した、その場にいた人数分の考えを聞けて楽しかったです。例えば、ひとりのGV生がグローバル化が地域医療へと繋がることに着目して自分なりの見解を述べてくれたことで、話を聞いていたグループのなかで改めてグローバル化の大切さを実感し、その視点も交えて自分の意見をまとめ直すことができました。そのように、学生になって学びたい分野であったり、医学部を志望した背景であったり、さまざまな思いから語られる「地域医療」「へき地医療」を聞くことで、自分の中に知識や視点が増えていくように感じました。

 

③沖縄尚学卒 クシさん
私は患者さんが家族と共に暮らしながら受けられる医療を提供し、楽しい医療現場を築ける医者になりたいと漠然と思っていました。

 

ですがこの2日間の学会を通して、患者さんやその家族だけではなく周りの住民や住んでいる地域の特徴や背景を知ることでその人を深く知り、人と人がふれあえる機会を設け不安や悩みを話し合えるような関係を地域で作り上げ患者さんがより「楽しい」や「幸せ」などプラスの感情が出ることで「もっと生きたい」と思わせることができるような環境づくりができる医者になりたいと思いました。

 

また、公衆衛生は地域医療と密接な関係があり集団全体の疾病予防、健康増進、延命を目的とし公衆衛生を促すことでコロナのようなパンデミックを抑え、糖尿病やがんなどの生活習慣病を未然に防ぐことができることを知りました。

 

さらに、社会保障費よって困窮世帯でもより医療を受けやすくすることで一人一人の医療への認識レベルを上げたり衣食住の水準を上げることは医療の発達につながると私は思います。

Q.GV生同士で学ぶことはどうでしたか?
自分と違った意見を持った人や同じ医療に携わる人の考え方を聞くことで自分の認識を広げることができた。

 

④首里卒 マツオカさん
今回の医学部講座に参加しての、印象に残ったこととその感想を述べたいと思います。

 

1日目の最初は自治医科大学6年生と研修医1年目の先生のお話を聞いて、その中で6年生の方は総合診療医をやりたいのは決まってるけど、それが本当にやりたいことか不安であると言うことを仰っていて、研修医の方は家族まで見る医療をしたいと仰っていました。それらは私もとても共感できることで、私自身、患者背景まで勘案する医療を身につけるためにも、患者さんとの距離の近いへき地医療に従事したいと考えているからです。

 

その後、コミュニティケアについての話を聞きました。医療以外の分野でもまちづくりで地域医療に貢献できるというのがとても驚きました。今まで医療はコミュニケーションが大事だということは小論文の勉強をする中で知ったりしていました。ですが今回の講演でその1段階前のコミュニケーションが苦手の人のための場所を設けるためにまちづくりをするというのを知って、とても革新的に感じました。

 

2日目はまず小林さんという方の話を聞いたのですが、自分自身迷っている、外科系の診療科を志しながらへき地医療をすることについてとても参考になりました。へき地で働くに当たって、外科系を志すとき、やはり技術を磨くのが難しいということを仰っていました、けどその代わりへき地では自由時間も多くその間で知識だけは絶対に負けないという気持ちで勉強をしていたというのを聞いて、自分の進路に役立てたいと思いました。

 

2日目の講演でもう一つ印象に残っているのは、國井先生のお話で、アフリカやインドなど世界各国で疫病を研究しながら医療活動をしているというのを聞いて衝撃を受けました。話が壮大すぎて自分自身の中で地域医療にうまく繋げることができなかったのですが、世界各国で地域によって様々な病気があり、その地域での生活状況とかによって医療の形も大きく変わり、それはへき地によって特有の病気があるへき地医療とも少し関連があるのかなと思いました。

Q.GV生同士で学ぶことはどうでしたか?
もともと、みんなそれぞれが医療に対して様々な捉え方をしていたから、学ぶものや、講師の方々の話の捉え方も様々でした。だけど、間違ってると思うことは1つもなくて、医療の形にもそれぞれの個性があるように感じました。

 

⑤昭和薬科卒 ナカザさん
私は今回の学会のオンラインに参加して、今まで自分が地域医療や医師の仕事として認識していたことが実際は少し違うと分かったり、意識を深めていったりすることができました。

 

1日目の講義で特に印象的だったのは、地域医療において重要なことが、医師が医療を提供するという一方的なものではなく、地域の人々と関係性を築き、その人の暮らしにまで目を向けるという人と人としての繋がりであるということでした。そうすることで、その時々で求められているニーズを把握することができ、より良い地域医療につながるんだと学べました。

 

また、2日の講義では、公衆衛生学をテーマに小さなコミュニティのみならず、市全体、国全体にも繋がるような健康の増進の取り組み、新型コロナウイルスの蔓延時の保健所においての話など、より広い範囲の医療活動について聞くことができました。現状多くの課題があることもわかり、医療制度の改善や人々の意識改革などの必要性を感じました。

 

実際に現場で問題解決に努めてる先生方の話を聞くことでより具体的なイメージを持つことができ貴重な経験になりました

Q.GV生同士で学ぶことはどうでしたか?
自分で医療について調べるとなっても、なかなか難しいところがあるのでこのような会を開いて、意見交換をしたり先生の話を聞いたりできてすごく身になったと思います。この活動を通して仲を深め、高めあっていけたら良いなと思います!

 

このようにGVでは、合格に向けた対策を一人ひとりに合った形で開催しております。このような授業に実際に参加してみたいなと思った方は、7月18日から始まる夏期講習がオススメです。どのような授業が開催されるのか?確認していただけらと思います。そして、早めの総合型/推薦選抜対策をしたい高校1年生、高校2年生に向けた対策講座も準備しておりますので、そちらもぜひご確認くださいませ。

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