P2270826
GVキャリア教育プロジェクトのねらいについて GV数学科の玉城です。 今回はなぜ塾でキャリア教育なのか? について述べていきたいと思います。 突然ですが ちょっとしたエピソードを紹介します。
 
ある高校生Y君の話です。 Y君は高校では普段から真面目に勉強し 席次も上位をキープしています。 部活動でもキャプテンをつとめ 生徒会の副会長もしていました。 勉強、部活動、生徒会活動など 様々なことを経験しつつも 受験勉強もしっかり頑張ったY君は 1年の浪人生活を経て 最難関大の理学部に進学しました。 高校時代の様々な人との出会いから 地元沖縄の人たちのために教師として働きたい そのために大学でもたくさん学びたい! と思いを持って理学部に進んだものの 大学1年生の終わりに痛感したことは 「自分は学部選びを間違えた…」 「自分がやりたいのは教育学だ…」 「教育学部に行けばよかった…」 「自分は一体ここで何をしているのだろう…」 ということでした。
 
Y君は順風満帆な高校生活を過ごし 様々な経験を積むことができたと 自分でも思っていたのですが 大学生活では大きな大きな挫折をしました。 Y君の学部の決め方は 数学の先生になるから理学部数学科! というぐらいの考えで それほど深く考えずに決めていました。 自分の関心の中心が数学なのか それとも先生になることなのか 教育そのものを学びたいのか もっとちゃんと考えておけばよかったと 進学後に後悔していました。 高校の頃に もっと進路について じっくり考えていれば… 本当の自分の関心が 教育はどのようにあれば良いのか? 沖縄の子ども達にはどんな教育が必要なのか? 教育には何ができるのか? そういったことにあるということに もし高校生の頃に気づけたら 自分の学部選びや大学選びは 変わっており、教育学部を選んだでしょう。 さて、こういう話は レアなケースなのでしょうか?
 
そうではありません。 現在大学進学者の8人に1人が中退しています。 1クラス40人だとしたら 5人は中退していることになります。 特定非営利法人NEWVERYの 『中退白書 2010』によれば その最大の理由は「学習意欲喪失」です。 大学進学後「こんなはずではなかった…」と 後悔してしまうわけです。
 
P2270816  
自分がそもそも何を学びたいのか 学んだ先にどんなことを積み上げていきたいのか 学ぶことや働くことを通じて どういう風に生きていきたいのか 自分の価値の軸を考えていく そういったプロセスが 教育の現場において必要なのです。 それは学校であれ塾であれ同様です。 その生徒ひとりひとりのこれからを ともに考え進路をつくっていく。 これがGVのキャリア教育です。
P2270885
GVは、ひとりひとりの生徒を 徹底的に見ることを掲げています。 私たちとGVの生徒との関わりは 彼らを大学に送り出して終わりではありません。 彼らの進学後の成長、 10年先、15年先にある彼らの幸福が 私たちの目指すところです。 私たちの生きる現代社会は 加速していく変化の中にあります。 その変化を生き抜くために 生涯学び続けることが求められる社会でもあります。 生涯学び続ける社会において 彼らの学びの羅針盤となるものを 大学受験という教育機会を活用して ともにつくっていくことが 我々が行うキャリア教育なのです。
さて、冒頭のエピソードの続き。 Y君のその後はというと… 学部選びは間違ったものの 大学選びは大正解。 自由を尊重する学風に 多種多様な人達が集まる総合大学 文化や歴史の密度の濃い土地柄 進学先の京都大学は迷いに迷った青年が 色々な人達と出会い自分のこれからを 考えなおすにはとても良い場所でした。 大学を卒業後、沖縄に戻り 大学受験予備校グレイトヴォヤージュで 働き始めて5年目になります。 そう、Y君とは私=玉城陽平のことです。 自由な学風で学んだことを 自由を尊重する予備校で試行錯誤しながら 沖縄の教育を良くしていくために 日々あれこれ考えながら 教育実践を行なっております。
P2250056
グレイトヴォヤージュの仕事に加え 自分のつまづきに意味を与え それをひろく実践していくために 有限会社おきなわ教育ラボにて キャリア教育コーディネーター として沖縄の高校生に対して キャリアを考える研修の設計にも 関わっております。 もうすぐ、また新しく 3つ目の仕事も始まります。 これも教育に関わるものです。 自分のこうあってほしい世界を 形にしていくための「進路づくり」を 私自身現在進行形で行なっています。 変化していく社会の中で 自分が何をしたいのか どんなスキルを身につける必要があるのか 考えながら試行錯誤する日々です。 子ども達より少しだけ 先に人生を歩み始めた私たち大人にできることは 私たち自身の試行錯誤の結果を見せること それをどう捉えるかは彼ら自身の仕事。 そして彼らに寄り添い ともに考えていくことが 私達大人の仕事です。 私自身が学び手として常に学び続け 挑戦しつつ、これからの日々を考える。 そこで感じたことを生徒達と共有し 彼らのこれからをともに 考えていきたいと思います。
 
今回と前回とで取り上げたキャリア教育と 大学入試改革との関連性については またの機会にまとめたいと思います。
 
前回記事はこちらから
 
最新オススメ記事はこちら