玉城先生のFacebookより拝借してきた、「これからのGVで行っていく未来の教育とは?」を下記から確認ください。一人一人人向かい合うを本気で実践し続ける玉城先生の想いをお受け取りくださいませ。

12月になり,やっと沖縄も肌寒い季節になってきました.大学のころに慣れ親しんだ京都の冬の寒さを思い出すと大したことないのですが,布団はぬくぬくで散歩で汗だくになることもなく,やっぱり冬はいい季節ですね.久しぶりに近況報告的な投稿でもしたいと思います.

 

京都大学を卒業して沖縄に戻ってきておりまして,その沖縄では大学受験時の縁から大学受験予備校グレイトヴォヤージュというところで数学講師・数学科主任として働いています.そしてそこでの三年目が終盤に入ろうとしています.この三年間,自分なりに試行錯誤しながら,生徒に必死に向き合いながら働いてきたつもりですが,その時々において,もっともっと良い指導ができたのではないか,自分ではないもっと優秀な講師がいれば,この子達はもっともっと良い選択ができたのではないかと常々思ってきましたし,今もそういう思いが頭に浮かびます.おそらく,この悔やまれる気持ちは教育に携わる以上,常に付きまとうもので,むしろその悔やまれる思いを無くしたときに自分の教育者としての歩みが止まるのだろうとも思っています.その都度その都度,自分にできるその時点における最善は何かと考える日々は苦しくもあります.もちろん,それを上回るやりがいを感じるからこそ,この仕事を続けることができているのは言うまでもないことです.

 

さて,そのような日々を過ごしながら,生徒に接してきたのですが,予備校の授業の中で多くの生徒に対しての一斉教授形式の非効率性を日々痛感していました.学力差のある生徒集団に対して,学力の高い子に合わせるとついていけない子を置いてけぼりにしてしまい,学力の低い子に合わせると高い子が暇を持て余し,平均に向けて授業をすると誰に向けているのかがわからなくなります.平均に向けた授業をしつつ,学力の高い子には発展的な問題を用意し,学力の低い子にはティーチングアシスタントとしての大学生に補助をしてもらうなどの工夫をしながらやってきました.そういう日々の中で,考えることは一斉教授形式はそもそも不要なのではないかということでした.カーンアカデミーhttps://ja.khanacademy.org/about のような,無料で質の高いオンライン教育が整いつつあるのだから,それらを徹底的に利用して,一斉教授形式で教えていた主要な部分をオンライン学習に代替して,講師の側は空いた時間で生徒の進捗を細かく確認し,個別の生徒のニーズに合うように学習の計画や追加の課題などを設計していくことや,生徒との個別の対話の時間を大切にする方が良いのではないかと考えるようになりました.これは別に予備校に限ることなく,一般の公教育の現場においても必要な転換でしょう。数学科の主任という立場でもあるので,私が所属するグレイトヴォヤージュにおいて,こうしたことに取り組み,モデルとなるような教育のシステムを構築・実践し,提示できれば,と考えております.オンライン学習を軸にしつつ,個々の生徒の学習の進捗に合わせて,生徒が自ら学習を設計して計画し,実施する.そしてその計画の振り返りと改善を自らの手で行っていける,学習の中心には常に生徒自身がいて,自らの学びを形成していく.教員はこれまでの教壇に立つ指導者としての立場ではなく,コーチとしての教員,メンターとしての教員,カウンセラーとしての教員,そのような存在として力を発揮していけばいい.生徒中心の学びをスムーズにいくようにサポートしていく.そんなことを考えています.来年度から実践していこうと構想中です.そのための参考にするために読んだのが『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』と『オランダの個別教育はなぜ成功したのか』という二つの本です.どちらも個人的には,かなり面白い本で,ヒントがたくさんありました.おすすめです.

 

教育者として生徒と関わっていく中で大切にしたいことについても,いくつか書いておきます.まずひとつは学習の中心にいるのは,常に生徒であるということ,あらゆる教育が個々の生徒にとって最適化されたものであるべきだし,個々の生徒のために設計されている必要があると思います.このことが基本としてあって,そのような教育によって,個々の生徒は自身の学びの対象を選択し,それを深めていき,そして仕事を得て,働きながらも学び続けていくのでしょう.そして,自らの社会的正義を見出し,社会に対して働きかけを行っていくことで,社会が改良されていく.このような流れを想定するとき,教育の現場においては,何かを学ぶこと,新しい発見に出会うこと,それを掘り下げ,誰かと共有し,討議する中でさらに深めていくこと,そのような過程を楽しめる場所であるべきだし,そのような機会が多く存在しているべきだとも思います.そして私自身一人の教育者として,そのような機会を多く提供していけるようにすべきだし,そのために自ら率先して知識を深めていく実践者でもあるべきでしょう.そのような,学びの過程そのものを個々の生徒が自ら設計し,実践し続けることができてほしい.そうなれるように手助けしていきたいとも思います.そして,その実践の先に,あるいはその実践と共にある仕事についても,なるべく具体的に提示し,個々の生徒のキャリア形成についても共に考えていきたいのです.大学受験時に思い描いたことは後々になると変わるかもしれませんが,大学受験のその先の自分の姿を見据えて日々を過ごすことができるように.

 

そんなことを思いながら,来年度からの実践にわくわくしているところです.個々の生徒に合わせた学びの中で,学ぶことの楽しさを実感し,予備校という共に過ごす学習空間において,よりよい日々が過ごせるようにするにはどうしたらいいかを生徒たちと共に考え実践していく民主主義的な実践や科目にとらわれない総合的な学習の在り方なんかも模索していきたいとも思っております.

ブレンディッド・ラーニングの衝撃 「個別カリキュラム×生徒主導×達成度基準」を実現したアメリカの教育革命 https://www.amazon.co.jp/…/4873804817/ref=cm_sw_r_li_api_-N…

オランダの個別教育はなぜ成功したのか https://www.amazon.co.jp/…/4256193049/ref=cm_sw_r_li_api_cQ…

 

玉城先生によるセンター数学はこちら

 

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