全体概要

全体として昨年から問題構成・形式や設問数の変更はなく、難易度としても昨年度とほぼ同様あまり高くないものであった。一部の問題で少し選択肢で迷う問いもあったかもしれないが、例年に比べ内容や難易度に大きな変化が無かったため、比較的取り組みやすい問題となったことが予想される。
 
【第1問~第2問】
この部分の問いは音声が2回読まれ、また文章も短く内容も平易のため、確実に正解を目指すセクションとなる。但し、音声と同時または音声の直後に、問いや選択肢に素早く目を通さなければならないため、意味を取り違えないように注意が必要である。発言のなかで、短縮形(問3:I’ve only been to~)や進行形(問5:~are falling)を伴う発言が聞き取りにくく感じられるため日頃の練習で繰り返し様々な文章に触れてその音になれることが重要である。
 
【第3問】
この大問から音声が1回のみになるが、扱われる発言はそれ程難しい内容ではないため、第1問~第2問同様、高い正答率を目指して行う部分となる。複数(大体2名)の会話になると、その多くが最初の発言の内容から変化する場合が多くみられる。例えば問14での「中古品店(リサイクルショップ)を訪れたことはない。→良いものが見つかるかも。→今連れて行ってくれる?→もちろん、行こう!」などといったように、このような会話の展開はよくある流れであるため、冒頭だけに集中するのではなく、全体的な話の流れを意識して聞いてほしい。
 
【第4問】
第4問Aは、どちらも時間の前後関係を表す単語に注目して解答のヒントを掴むことが必要である。今年度の問いでいうと、問18〜21(To start off,~/Then~/After ~/Finally,~)などといった単語が聞き取れれば比較的スムーズに並べ替えの問題にも対応できる。
第4問Bは、事前に与えられた時間で状況と条件をしっかり読み、それぞれの選択肢において各条件の正誤をひとつずつ丁寧に吟味していくべきである。吟味していくなかで、条件に合わないものがひとつでもあればすぐに正答から排除し、気持ちを切り替えながら聞くことを意識したい。
 
【第5問】
第5問は例年同様、講義形式の問題を聞きながら答える問題であり、この大問から音声の分量が長くなるため難易度が上がることが予想される。ここからは内容が難しくなることを想定して「できる(分かる)問題を確実に」行うことを目指したい。事前に与えられる時間でワークシートと選択肢までにきちんと目を通しておくことが必要である。問27は、ワークシートに「Glass dose NOT」と記載されているのに注意。問33は選択肢も長く、一見難しく思えるかもしれないが、グラフの値の高い低いが明らかで、その傾向と選択肢を照らし合わせれば比較的容易に答えにたどり着けるようになる。
 
【第6問】
個人的には今年度の第6問の難易度はそれ程高くなく難しい印象は持たなかった。第6問Aは、第3問とも共通するポイントであるが、2人の会話のなかで話の流れが変わるため、その意見の変化に注意して聞くべきである。第6問Bは4人の会話となるため、誰の発言なのかを把握することが重要であるが、今年度は、各人の発言の冒頭や最後に名前が呼ばれていたため、次に誰が発言するのかをはっきりと把握することができた。
 

まとめと今後の対策について

全体として問題構成や形式に大きな変更はなく、難易度も例年と大きく変わらなかったため、受験生にとって取り組みやすい内容となった。したがって例年同様、英語独特の音声のつながり(音のリンキングや脱落)に集中して聞くことが求められている。基本的な練習であるが、問題スクリプトを読みながら音声を聞き、英語の音の特徴がみられたポイントをチェックしながら読み・聞き続けることが重要である。さらに、会話文となるとQ(質問、提案)→A(それに対する応答)もよく表現されるため、頻出の疑問文のフレーズ(How about getting~?/Would you like to~?)にも注意し、「誰」が「何しているのか(何を考えているのか)」という基本的な情報を捉える必要がある。これらの練習を行うには、平易な文章でも良いので、できるだけたくさん(できれば毎日数十分)の英語の音声に触れて耳を慣らして練習を積み重ねることが近道となる。リスニングは数週間の対策で点数が上がるような科目ではない、日頃からの少しずつのトレーニングの意識を持って取り組んでほしい。

 

英語担当 Arisa