傾向と対策

第1問のリード文の初めに、現代社会を学ぶ上で必要なのは「広い視野をもつこと」「背景にある思想などを深く理解すること」とある。共通テストの方向性を表明したものだろう。従来型の正誤問題の他に、図表や資料の精緻な読み取り、概念の定義やルールを正確に把握し具体的な文脈に敷衍する問題、対話文における論拠の対立点を整理する問題などバラエティに富む出題となった。用語の正確な理解を踏まえ、資料の中から必要な要素を抽出し、総合する柔軟な思考力が問われている。ADR法や改正臓器移植法の内容を問うなど、一部細かい知識も問われた。 高齢化と過疎化の問題、新自由主義の進行など小論文のテーマとも通底する。普段から社会の今に切り込む知恵として現代社会を学び、可能ならば仲間と議論しよう。

 

地歴・公民科担当 大岩光昭