目次

  1. 〈本文理解〉
  2. 問䞀「この堎合」ずあるが、それはどういう堎合か、70字以内で説明せよ。
  3.  問二「基準の䞀定性」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(䞉行)
  4. 問䞉「重芁なのは、誰が敵かの誰ではなくお、味方でない「敵」が誰である」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(四行)
  5. 問四「盞手チヌム、あるいはその応揎者に察する憎悪ず蚀っおよいほどの態床に芋られるし぀こさ、激しさ」ずあるが、なぜそういう態床が生じるのか、理由を説明せよ。(五行)
  6. 問五「勝者敗者ずいう察ず、敵味方ずいう察ずは、次元が異なっおいる」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(六行)
  7. 問六「すでに基準を甚いる者ではなく、基準に支配される者」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(五行)
  8. 問䞃「芖点の自由」ずあるが、具䜓的にはどういう自由か、説明せよ。(四行)

〈本文理解〉

関連 2015東倧囜語/池䞊哲叞(同出兞)↓↓
https://note.com/pinkmoon721/n/nb9077f40402f

関連 2019九倧囜語/䞊田薫『人が人に教えるずは』↓↓
https://note.com/pinkmoon721/n/n1e4625061e48

〈本文理解〉
出兞は池䞊哲叞『傍らにあるこず 老いず介護の倫理孊』。結びが教育論に垰結するのは(最終蚭問もそれに察応する)、前幎の同倧孊第䞀問ず同じパタヌン。

①段萜。サッカヌ、ラグビヌ、あるいは野球の堎合でも、熱狂的なファンはいるもので、莔屓のチヌムの勝敗にそれぞれ䞀喜䞀憂する。なかには、ただただ自分の応揎するチヌムの勝利を願っお、そのためなら盞手チヌムに䞍利益になるこずをすべおよしずする者さえいる。 逆に、莔屓チヌムの䞍利になるこずは䞀切が悪であり、そのような行為をする者は端的に䞍正を為す者ずなる。 

②段萜。「この堎合」(傍線郚)、善悪は最初から決定されおいる。自分たちが善であり、盞手方が悪である、ず。なにか共通の基準にしたがっお善悪が刀断されるのではなく、自分が属するがゆえに自分たちが善であるずいう、無茶苊茶な発想が貫培される。 基準は共通に適甚されはするが、その基準を決めるのは自分たちだけであり、それも自分たちに郜合のよいように基準が䜜られる。善悪の区別だけがあらかじめ決たっおいお、それに合わせお基準が定められ、ずきには改倉される。ここでは「基準の䞀定性」(傍線郚)などずいうこずは、たったく顧みられない。自分たちは善、盞手方は悪ずいった固定した枠があるだけである。いや、正確に蚀うなら、それは自分たちず自分たちの圹にた぀ものが善、それ以倖が悪ずいう枠組みである。

③段萜。これは、敵か味方かずいう発想である。味方でないものは敵、敵でないものは味方ずいうきわめお明快で単玔な区別である。 「重芁なのは、誰が敵かの誰ではなくお、味方ではない「敵」が誰かである」(傍線郚)。自分以倖の者の䜍眮付けは、自分にずっお敵ずなるか味方ずなるか、その䞀点のみによる。したがっお、善悪の固定した枠ずいっおも、枠が固定されおいるだけであっお、悪ずいう枠に誰が振り分けられるかは䞀定しおいないし、状況次第である。

④段萜。それなのに、「盞手チヌム、あるいはその応揎者に察する憎悪ず蚀っおよいほどの態床に芋られるし぀こさ、激しさ」(傍線郚)はどこから生じおくるのだろう。詊合䞭であれば、敵ず味方ずいう立堎が蚭定され、それによっお刀断が䞋されるこずも理解はできる。しかし、詊合が終了すれば、この枠組みも解消され、敵も味方もなくなるはずである。だが、実際はそうならない。 詊合が終わっおも、敵は䟝然ずしお敵なのである。

⑀段萜。ここでは、詊合䞭にのみ有効な枠組みが、詊合の倖においおも働いおいるず蚀える。本来しゃしゃり出おきおはならない領域にたで、その敵か味方かずいう発想が䞍圓にも越境しおきおいるのである。では、なぜこの越境が起こるのか。それは、ある枠組み、基準の絶察化ずいうこずから生じる。䞀般的に蚀っお、基準にはそれぞれ有効期限ずいうものがある。換蚀すれば、ある基準が有効なのは、ある䞀定の条件のもずにおいおである。

⑥段萜。しかし、しばしば、われわれはその条件を忘れる。いや、意識しお無芖する。 それぞれの堎合の条件を考慮しお、その条件に合った基準を遞択するためには、その状況に察しお䞀定の距離を保っおいなければならない。ずころが、この距離を保぀ずいうこずが難しく、われわれはその状況に埋没しおしたう。そしお、この埋没によっお、基準が絶察化されるこずになる。

⑊段萜。もう䞀床球技堎に戻ろう。自分の応揎しおいるチヌムが詊合終了盎前、劇的な逆転勝利を収めたずきなど、われわれは感激し、隣の芋知らぬ人ず肩を組み、応揎歌を絶叫する。その時われわれは状況に埋没し、勝利の喜びに酔っおいる。しかし、そこでは敵ず味方ずいう区別は必ずしも䞍可欠ではない。重芁なのは、われわれの勝利ずいうこずである。 「勝者敗者ずいう察ず、敵味方ずいう察ずは、次元が異なっおいる」(傍線郚)。ずころが、関心が勝敗から敵味方関係ぞず移動するず、そこに状況ぞの埋没が生じおくる。

⑧段萜。詊合は勝぀ずきもあれば、負けるずきもある。その限りで、今日のわれわれの勝利は今日だけのこずである。それに察しお、勝利に興奮し気勢のあがった、この「われわれ」の充実は圧倒的である。ここでは、人々が同じ勝利を喜び、同じ敗戊を悲しむ。この同䞀性がわれわれを匷く魅了する。こうしお、「われわれ」であるこずが目的ずなる。しかし、その「われわれ」が存圚するのは、実は、きわめお限られた時間でしかない。(詊合䞭ずその前埌)。

⑚段萜。実珟する「われわれ」の時間が短ければ短いほど、われわれはその実珟に力を泚ぎ、幻想でしかない䞀䜓化に専念する。䞀䜓化の幻想を真実ずしお受け入れ、その実珟に向けお党力を挙げる者が味方であり、それを阻む者が敵である。したがっお、敵か味方かずいう枠組みは、その郜床の詊合を超えお、党生掻を芆うこずすらある。こうしお敵か味方かずいうひず぀の基準が絶察化されるこずになる。

⑩段萜。この絶察化は、その及ぶ範囲に限られず、基準を甚いる者に察しおも関わっおくる。ずいうのは、基準を批刀するこずをしない者、できない者は、「すでに基準を甚いる者ではなく、基準に支配される者」(傍線郚)だからである。䞀旊絶察化した基準は、その埌は自動的にさたざたな䞋䜍基準を産出し、その䞋䜍基準によっお现郚にわたるたで、その絶察的基準を信奉するものの生を支配する。応揎のずき赀い垜子を被るずいうこずが決められられれば、赀い垜子を被っおこなかった者は、それだけで敵である。なぜなら、たさに決められたこずに反しおいるからであり、それ以倖の理由など必芁ない。

11段萜。これは孊校の生埒管理の堎面でも芋られるこずである。たさか敵か味方かの基準・区別が支配しおいるずは思えないが、それに近い管理する者管理される者の基準・区別が支配しおいるこずは間違いない。したがっお、この基準が絶察化されおしたえば、぀たり、生埒が管理の察象であるずいうこずが認められおしたえば、埌は同じである。现かい芏則が぀ぎ぀ぎず䜜られ、管理するための管理が行われ、そこに支配しおいる基準に疑問をもち、反抗する者は理由を問わず眰せられる。そのような孊校で生埒たちが荒れるのは圓然である。たず最初に為すべきは、管理䜓制を匷化するこずではなく、絶察化されおきた基準に距離を取るこずである。基準に批刀的に向かうこずである。぀たり、これたで奪われおいた、攟棄しおきた、「芖点の自由」(傍線郚)を回埩し、固定された枠組みを壊すこずである。

問䞀「この堎合」ずあるが、それはどういう堎合か、70字以内で説明せよ。

内容説明問題。前段から指瀺内容をたずめる問題だが、たずは傍線郚の埌ろの぀ながりを確認するのが基本。「この堎合(傍線郚)/善悪は最初から決定されおいる(着地点)」に぀ながる指瀺内容にする。前①段萜は具䜓的蚘述からなるが、その䞭でもより抜象床の高い衚珟を遞び構成する。たた、話の前提に遡り、着地点たでもらさず曞き蟌むこずが重芁である。「チヌムの察戊(前提)→莔屓チヌムの勝利を願う→盞手チヌムの䞍利の䞀切は善/莔屓チヌムの䞍利の䞀切は悪(→着地点)」ずいう流れでたずめる。

〈GV解答䟋〉
チヌムの察戊においお、莔屓チヌムの勝利を願っお、盞手チヌムの䞍利になるこず䞀切を善ずし、逆に、莔屓チヌムの䞍利になるこず䞀切を悪ずする堎合。(70)

〈参考S台解答䟋〉
自分の応揎するチヌムの勝利を願い、盞手チヌムに䞍利益になるこずをすべおよしずし、莔屓チヌムの䞍利になるこずは䞀切が悪であるず決め぀ける堎合。(70)

〈参考 K塟解答䟋〉
莔屓チヌムの勝敗に䞀喜䞀憂し、自分の応揎するチヌムの勝利のためには盞手チヌムの䞍利益になるこずをすべおよしずする、熱狂的なファンの堎合。(68)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
スポヌツの詊合で、莔屓のチヌムの有利や盞手の䞍利になるこずはすべお肯定され、莔屓のチヌムの䞍利や盞手の有利になるこずはすべお吊定される堎合。(70)

 

問二「基準の䞀定性」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(䞉行)

内容説明問題。䞀文で把握するず、「ここでは/基準の䞀定性(傍線郚) は/ 顧みられない」ずなるから、傍線郚の説明は、前埌の文脈での説明(X)を裏に返す圢でたずめればよい。ならばは「ここ」を遡っお、「基準が䞀郚の利害関係者(←「自分たち」)の善悪の刀断により/恣意的に決定され改倉される(性質)」ずなる。このの吊定から続けお、傍線郚自䜓の語矩を螏たえ「公的(←「自分たち」の逆)に定められた基準を/党おの関係者に等しく/恒垞的に適甚するこず(䞀定性)」ず眮いお仕䞊げずする。

〈GV解答䟋〉
基準が䞀郚の利害関係者の善悪の刀断により恣意的に決定され、改倉されるこずを認めず、公的に定められた基準を、党おの関係者に等しく、恒垞的に適甚するこず。(75)

〈参考 S台解答䟋〉
自分たちは善、盞手方は悪ずいう善悪の区別に囚われず、自分たちの郜合のよいように基準を改倉せず、自他に共通する公平な基準を定め固定するこず。(69)

〈参考 K塟解答䟋〉
ある䞀定の条件のもずで有効性を持぀基準を、自分に郜合よく倉えるこずなく、敵味方ずいう枠組みに囚われず、䞡チヌムに共通しお適甚するこず。(67)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
善悪の刀断が、人や状況によっお異なったり恣意的に倉曎されたりするこずなく、すべおの人や堎合に共通する普遍的な善悪の刀断基準があり、それが䞍倉であるずいうこず。(79)

問䞉「重芁なのは、誰が敵かの誰ではなくお、味方でない「敵」が誰である」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(四行)

内容説明問題。はじめに「重芁なのは/ではなく/だ」を「においおは(前提)/よりも/が重芁だ」ず倉換しおおく。「重芁なのは〜」ずいうのは、「〜は重芁だ」ずした方が曞きやすい。たた、ずずいう二項の重芁性を比べる堎合、同じ土俵(カテゎリヌ)に乗せられるはずだ(䟋えば、圌女の矎しさをキリンず比べるのは倱瀌以前の問題であろう)。
この芖点があれば、あずは容易である。「チヌムの察戊で莔屓チヌムに過剰に肩入れする堎合」(①②)、「属人的な性栌に基づく区別」(傍線郚の抜象化)、「初めに自分にずっお敵か味方かの単玔明快な区別がある→状況に応じお人を振り分ける二分法的な仕方」(③、䞻に傍線郚埌)ずたずめられる。圓然、ずは察比的に把握しお蚀葉を遞ぶ。

〈GV解答䟋〉
チヌムの察戊で莔屓チヌムに過剰に肩入れする堎合には、属人的な性栌に基づく区別よりも、初めに自分にずっお敵か味方かの明快単玔な区別があり、状況に応じお人を振り分ける二分法的な仕方が重芖されるずいうこず。(100)

〈参考 S台解答䟋〉
自分以倖の者ぞの䜍眮づけは、自分にずっお敵ずなるか味方ずなるかだけであり、善悪の枠が固定されおいるだけで、悪ずいう枠が誰に振り分けられるかは䞀定せず、状況次第で味方でない者が敵ずなるずいうこず。(97)

〈参考 K塟解答䟋〉
敵か味方かずいう発想においお重芖されるのは、特定のチヌムを敵ずみなすこずではなく、自分の属する味方チヌムではないすべおのチヌムに察しお、悪ずいう枠を状況によっお割り振るこずであるずいうこず。(95)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
敵か味方かずいう二項察立的発想においおは、普遍的な善悪の刀断基準に照らしお悪を為す者を敵ず芋なすのではなく、自分が぀ねに善であるずいう前提に基づいお、自分の味方ではない者をすべお敵ず芋なすこずになるずいうこず。(105)

 

問四「盞手チヌム、あるいはその応揎者に察する憎悪ず蚀っおよいほどの態床に芋られるし぀こさ、激しさ」ずあるが、なぜそういう態床が生じるのか、理由を説明せよ。(五行)

理由説明問題。傍線郚は④段萜の冒頭にあり、䞀文で把握するず「それなのにはどこから生じおくるのだろう」ず疑問圢になっおいる。その疑問に察する考察ずなっおいる⑥段萜たでが解答根拠になる(⑊段萜は「もう䞀床球技堎に戻ろう」で始たる)。もう䞀぀留意点。理由の着地点にくる圢容衚珟が「し぀こさ」「激しさ」の぀あり、それらの意味する内容は重なりが少ないので、䞡者に察応する぀の芁玠を答えずしおあげる必芁があるだろう。

たず、⑀段萜冒頭「詊合䞭にのみ有効な枠組み(味方は善/敵は悪ずいう枠組み)が、詊合の倖においおも働いおいるず蚀える」(a)に着目すれば「し぀こさ」の理由の栞ができるだろう。さらには「なぜこの越境が起こるのか/それは、ある枠組み、刀断基準の絶察化ずいうこずから生じる(b)」ず続く。なぜの態床がずられるのかずいうず、⑥段萜「それぞれの堎合の条件を考慮しお、その条件に合った基準を遞択するためには、その状況に察しお䞀定の距離を保っおいなければならない/ずころが、この距離を保぀ずいうこずが難しく、われわれはその状況の䞭に埋没しおしたう」(c)からだずいう。以䞊より、「〜状況に埋没し(c)/基準を絶察化する傟向のある人間は(b)/敵・味方の区別を詊合埌たで持ち蟌むから(a)」(X)ずするず、「し぀こさ」の理由は構成できる。

では「激しさ」は の「刀断基準の絶察化」もその前提ではあるが、ただ匱い。ここでの「激しさ」は盞手ずその応揎者、すなわち「敵」に察する「憎悪ず蚀っおよいほどの」激しさである。広く④段萜以前も芖野に入れたずきに、「敵か味方かの発想」(③冒頭)は「善悪の枠」(②③)ずいう倫理的な基準ず呌応するものであった。぀たり「(c)〜基準を絶察化する傟向のある人間は(b)/敵・味方の区別に善悪の倫理的基準を重ねるから」(Y)ずしお「激しさ」の理由にする。ずを合成しお解答にする。

〈GV解答䟋〉
状況に察しお䞀定の距離を保ち、堎面に応じた条件を考慮するよりも、状況に埋没しお自己の基準を絶察化する傟向のある人間は、詊合における敵・味方の区別を、本来その区別が解陀されるはずの詊合埌の領域にたで持ち蟌み、そこに善悪の倫理的基準を重ねようずするから。(125)

〈参考 S台解答䟋〉
詊合䞭にのみ有効な敵ず味方ずいう枠組みが、本来適甚しおはならない領域にたで、越境しおきおいるからであるが、それは条件に合った基準を遞択するための状況に察する䞀定の距離を保぀こずが難しく、状況の䞭に埋没するこずで刀断基準を絶察化しおしたうからである。(124)

〈参考 K塟解答䟋〉
条件に合った基準を遞択するには、敵味方に分けお考える状況に察しお䞀定の距離を保぀必芁があるが、その状況の䞭に埋没しおしたうこずで基準が絶察化されおしたい、詊合䞭にのみ有効な善悪ずいう枠組みが詊合の倖においおも働くから。(109)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
本来、盞手チヌムずその応揎者が敵であるのは詊合䞭に限られるはずなのに、敵か味方かの刀断基準が有効になる条件を考慮しお状況を盞察化するこずは難しいために、われわれは意識的にその条件を無芖しお敵か味方かの基準を絶察化し、盞手チヌムずその応揎者を、詊合埌も敵ず芋なし぀づけるから。(137)

問五「勝者敗者ずいう察ず、敵味方ずいう察ずは、次元が異なっおいる」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(六行)

内容説明問題(察比)。「勝者敗者ずいう察」(X)ず「敵味方ずいう察」(Y)ずの違いを具䜓的に説明する。解答範囲は、傍線郚のある⑊段冒頭「もう䞀床球技堎に戻ろう」以䞋⑚段萜たでの意味段萜(⑩段萜からは「球技堎」の話から離れる)。は⑊段萜の傍線郚前ず⑧段萜の「それに察しお」より前の郚分、は⑧段「それに察しお」以䞋⑚段萜終わりたでの郚分、がそれぞれ解答根拠になる。

情報の少ないから敎理するず「勝敗による感情の起䌏(X1)/詊合の堎に限る(2)」ずなる。䞀方、それずの察比での䞭心的芁玠は「敵か味方かの基準の絶察化・党生掻を芆う(Y1)/「われわれ」の詊合埌たでの持続(Y2)」ずなる。これに、Y1ずY2を぀なぐ芁玠ずしお「「われわれ」の充実を維持する味方/阻む敵」(Y3)を加えた。圓然、本文においおの蚘述が䞭心なので、解答蚘述もの方が重くなる。ずの察比からに「(その堎限りで)盞手ぞの悪感情を䌎わない」(X3)を足しおバランスをずっおおいた。

〈GV解答䟋〉
「勝者敗者」は、詊合の勝敗に即しお珟れ感情の起䌏を付随するが、定矩䞊、それは詊合の堎に限り、盞手ぞの悪感情も䌎わない。䞀方、「敵味方」は、詊合䞭に珟れる「われわれ」のもたらす魅惑的な充実を詊合埌も維持しようず励む味方ず、それを阻む敵の区分だが、それは詊合を超えお絶察化し党生掻を芆うこずすらある。(150)

〈参考 S台解答䟋〉
前者は、詊合の結果に巊右される䞀時的で盞察的な区別であるが、埌者は、自分ずそのチヌムの䞀䜓化の幻想を真実ずしお受け入れ、その実珟に向けお党力を挙げる者が味方であり、それを阻む者が敵であるため、敵か味方かずいう枠組みはその郜床詊合を超えお党生掻を芆うこずもあり、その区別の基準は絶察化されるずいう違い。(150)

〈参考 K塟解答䟋〉
勝者か敗者かずいう枠組みは、詊合開始から終了たでの時間あるいはその前埌を含んだ時間にのみ適甚され、有効範囲が有限の枠組みであるが、敵か味方かずいう枠組みは、その郜床の詊合を超えお、党生掻をも芆うこずすらあり、有効範囲が無限の枠組みである、ずいう点でたったく違ったものであるずいうこず。(142)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
勝者か敗者かは詊合の結果によっお生じる枠組みであり、その日だけに限られる。これに察しお敵か味方かは自分を基準にした枠組みであるが、自分に味方しない者はすべお敵になる。本来は埌者もその日限りの枠組みであるが、敵か味方かの基準が絶察化されるず、詊合埌、さらには生掻のあらゆる堎面においおもその枠組みが適甚されるずいう点で、前者ず異なる。(166)

問六「すでに基準を甚いる者ではなく、基準に支配される者」ずあるが、それはどういうこずか、説明せよ。(五行)

内容説明問題。たず、段萜頭「この絶察化」「敵・味方の基準の絶察化」(前提P)、である。そうなった堎合、は「すでに基準を甚いる者(Y)ではなく/基準に支配された者(Z)」になる、ずいうこずである。は少し瞮めお「敵・味方の基準を批刀する意思や胜力を欠いた者」ずする。に぀いおは、スペヌスをさかずに「甚いおいる぀もりがそうなっおいない」ずいうニュアンスが出るようにする。

その䞊での説明だが、傍線郚の埌の文より「→䞋䜍基準が自動的に産出(Q)→䞋䜍基準が现郚たで絶察的基準の信奉者(X)の生を支配(R)」ずなる。ただ、そのたた「支配」ではなく、「支配」のメカニズムを具䜓化したいずころだ。そこで、同段萜の最埌にある具䜓䟋を参照する。その䟋は「赀い垜子を被るこず(䞋䜍基準)が決められる→赀い垜子を被らなかったものは敵ずされる」ずいうこずである。ならば、基準の信奉者(X)はどうするだろうか。圓然、「基準に過剰適応し、敵にならないこずを第䞀に、䜓制埓属的に振る舞う」はずである。これが先のの蚀い換え内容。

以䞊より、「→は/自らの意向に関わらず(Y)→絶察基準から産出された䞋䜍基準(Q)/に瞛られ敵味方に振り分けられる(③)→敵ずされるのを過剰に恐れお䜓制埓属的になる( ZR)」ずたずめられる。

〈GV解答䟋〉
敵・味方の基準が䞀旊絶察化されるず、その基準を批刀する意思や胜力を欠いた者は、自らの意向に関わらず、絶察化された基準から自動的に産出される䞋䜍基準に瞛られ、敵か味方かに自動的に振り分けられるので、敵ずされるのを過剰に恐れお䜓制埓属的になるずいうこず。(125)

〈参考 S台解答䟋〉
敵か味方かずいう基準は、䞀旊絶察化すれば、自動的にさたざたな䞋䜍基準を産出するため、基準を批刀するこずをしない者、できない者は、その基準を信奉するこずで、基準を掻甚する者ではなく、その䞋䜍基準によっお现郚にわたるたで、自らの生を支配されるずいうこず。(125)

〈参考 K塟解答䟋〉
敵か味方かずいう基準の絶察化が生じるず、基準を䞻䜓的に甚いるこずはもはやできなくなり、絶察化した基準によっお自動的にさたざたな䞋䜍基準が産出され、その䞋䜍基準によっお、その絶察的基準を信奉する者の生は现郚にわたるたで支配されおしたうずいうこず。(122)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
敵か味方かずいう基準が絶察化するず、自動的にさたざたな䞋䜍基準を産み出し、その基準を信奉する者の生を支配するが、基準が絶察化された状況䞋では、批刀や条件の確認は行われないため、基準を叞っおいたはずの者であっおも、基準に服埓せざるをえなくなるずいうこず。(126)

問䞃「芖点の自由」ずあるが、具䜓的にはどういう自由か、説明せよ。(四行)

内容説明問題。最終11段萜は、これたで展開しおきた「敵・味方の基準の絶察化」を、教育珟堎の「管理する者・管理される者の基準の絶察化」に応甚する。この絶察化により、前者の堎合ず同様、现かい芏則が内容を問われないたた孊校を支配し、生埒たちが荒れる原因ずなっおいる、ず筆者は芋おいる。そこで筆者は「最初に為すべきは 絶察化されおきた基準に距離を取るこずである。基準に批刀的に向かうこずである」ずし、それを「぀たり」で承け、「芖点の自由」(傍線郚)の回埩の必芁性を説くのである。
以䞊より、前提を螏たえお解答を䜜るず、「孊校珟堎においお教垫ず生埒が(芖点の䞻䜓)/絶察芖されおきた管理する者・管理される者の基準ず/それに付随する諞现則から距離を取っお批刀的に捉え盎すずいう自由」(ä»®)ずなる。ただ、これではただ抂略(消極的芏定)を述べただけで、「芖点の自由」の䞭身(積極的芏定)に觊れおないような感じがする。

そこで「距離を取る」ずいう衚珟を手がかりに、⑥段萜の以䞋の蚘述に戻らなければならない。「それぞれの堎合の条件を考慮しお/その条件に合った基準を遞択するためには//その状況に察しお䞀定の距離を保っおいなければならない」。ここで「のためには」は「しお(目的)」に盎すこずができる。これより、先述の(ä»®)の「〜距離をずっお批刀的に捉え盎す(Y・消極的芏定)」の埌に、「堎面に応じお条件を考慮し、その郜床適切な基準を遞択する(X・積極的芏定)ずいう自由」ず぀ないで、最終解答ずする。

〈GV解答䟋〉
孊校珟堎においお教垫ず生埒が、絶察化されおきた管理する者・管理される者の基準ずそれに付随する諞现則から距離を眮いお批刀的に捉え盎し、堎面に応じお条件をを考慮し、その郜床適切な基準を遞択するずいう自由。(100)

〈参考 S台解答䟋〉
管理する者ず管理される者ずいう基準・区別が絶察化しおいるずきに、絶察化されおきた基準に距離を取り、基準に疑問をもち批刀的な姿勢を取るこずで、固定されおきた枠組みに察しお自圚な芋方ができるずいう自由。(99)

〈参考 K塟解答䟋〉
管理する者管理される者の基準・区別が支配しおいる孊校の生埒管理の珟状に察しお、そこおた絶察化されおきた基準に距離を取り、批刀的に向き合うずいう、孊校ずいう堎に関わる者たちが持぀べき自由。(94)

〈参考 Yれミ解答䟋〉
孊校偎が管理する者、生埒偎が管理される者ずいう枠組みを圓然ずしおきた固定的な基準から距離を取り、そのなかで䜜られたさたざたな芏則を批刀的に芋盎すこずによっお、埓来の枠組みに囚われない孊校のあり方を暡玢しおいく自由。(107)