〈傾向〉

全体を通してかなり優しい問題が多かった。高得点帯での勝負になったと予想される。共通テストで60点以上を狙える生徒は、8割を狙えるような難易度であった。

 

〈大問1〉

溶存酸素量と酸化還元滴定に関する問題が出題された。最も受験生を悩ませたのは問1ではないだろうか。水酸化ナトリウムの保存方法に関しての出題であるが、かなり細かい内容を取り上げている。しかし、冷静に選択肢を考えると明らかにおかしい内容が書かれているので、混乱しなければ正解を選べる問題だろう。
問2(3)に関しては酸化数の定義、半反応式の立て方を理解していなければ難しい問題だと思われる。しかし、解答できなくとも後半の問題には影響が無いので、落としたとしても点数への影響は小さいだろう。
問5,問6では生物選択にやや有利な問題が出題されている。だが、難易度自体は高くなく、問6は中学校理科の範囲で十分解答可能な記述問題なので、正答率は高いだろう。

 

〈大問2〉

構造決定と油脂に関する問題が出題された。例年、琉大の問題の中では相対的に難易度が高い構造決定だが、今年の問題はかなり優しい問題であった。炭素数も少なく、共通テストの有機化学範囲を解ける受験生であれば問題なく解答できるだろう。油脂の問題に関しても難易度は高くない。計算量がやや多いが、時間的な圧迫も少ないので、多くの受験生が高得点を取れたと考えられる
問8のみ、ヨウ素価とけん化価の定義を暗記していなければ手が出せず、現役生は苦しんだかもしれない。

 

〈大問3〉

熱化学と気体の複合問題が出題された。全体的に共通テストより難易度が低いので、問題なく解けた大問だろう。相対的に見ても難易度が低く、最も点数がとりやすい大問だと考えられる。

 

〈大問4〉

琉球大学では珍しく、無機のみの範囲が出題された大問であった。対策が追いつかなかった受験生もいるかもしれないが、難易度はかなり優しい。しかし、暗記を怠っているとほとんどの問題で苦労するだろう。ただ、出題されている問題は共通テストより遥かに簡単な問題なので、共通テストを乗り越えられた受験生にはサービス問題になっただろう。