(小論文解説)

課題文は専門家・文化人、タレントや市民といったさまざまな立場の人々が「健康」と「自己責任」をめぐる問題を議論しており、「健康=自己責任論の背景」「自己責任論にみる社会の歪み」「健康はどこまで自己責任か」の3つのサブトピックに分かれている。 上記の討論を踏まえた上で要求された課題文の読解は、「健康は自己責任のみでコントロールできるものではなく健康格差は日本社会の歪みが現れているものだから、健康格差の問題を社会の問題として捉えるべきだ」というものであった。

 

問は、それぞれの立場(主張)と論拠を正しく読み取り比較した上で、「健康格差は個人の問題として捉えるべきか、社会の問題として捉えるべきか」を問うものであった。

 

問に答えるにあたり、人間社会学科が「専門的な知と幅広い学際的な知を基に、複雑化した社会において個人の尊厳を保ち、誰もが自由・公平に、また安心・安全に生きることが出来る社会を形成できる人材の養成を目指している」ということを意識する必要があると考えられる。

 

そしてこのことから、今回の「あなたの考え」で真に問われていることは、その論述にあたっても反対意見を尊重・寛容しながら、自由・公平で安心・安全な社会の構築を目指すための「健康格差を社会の問題とする意義」を思考することだと思われる。