解答例①(多文化共生)

 私が「社会を変える」何らかの取り組みにかかわるとしたら、異文化間の対立や偏見という問題に対して、状況(状態)と人々の意識を変えるという方法で影響を与えたいと考える。 

 近年ではグローバル化が進み、人や物、情報などのあらゆるものが国境を越え世界を行き交う社会になり、様々な人や文化と交流する機会が増加した。一方で、自分と異なる常識や価値観に出会ったときに理解しがたい異質なものとして誤解や思い込みをしてしまうことがある。誤解や思い込みを解消していくためには、単に文化の違いを理解しようとするのではなく、自己と他者の多様性を自覚し、また、国を超えて人間が共有している普遍的価値観を深めることで多文化共生社会の実現を目指すことが重要である。異なる文化に触れることは、これまで存在しなかった多様で柔軟な新しい関係を作り出すだろう。また、その多様性の中で自らのアイデンティティを見つめ直す契機ともなる。その意味で、多文化共生社会の実現は世界だけでなく自己をも豊かにするのである。 

 そうした社会の実現を目指す中で課題として、文化交流の増加による異文化間の摩擦が挙げられる。実際に、言語や宗教、習慣など文化の差による差別や偏見は未だに存在している。この異文化間の対立や偏見という問題を乗り越えるためには状況(状態)と人々の意識を変え、一人の人間として相手を尊重する多文化共生の精神が必要となる。状況(状態)を変える方法としてまずは、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりに取り組むことが挙げられる。年齢や性別、国籍、民族を問わず誰もが安心して自由に暮らせる環境を整備することは、そこに住む様々な人々の多様性を示しており、互いに配慮し合うことを求めている。そうした環境の中で日常的にユニバーサルデザインの考え方を理解し取り入れる機会を作ることで、多様性に気付き、他者を尊重する姿勢を学ぶことが出来るだろう。こうした多様性を尊重する姿勢は、文化の違いが差別へと転化することを防ぐのではないか。次に、まちづくりを考えることで人々の意識を変えることも必要だ。多文化共生社会の実現には社会を構成する全ての人が多様性を理解し、配慮することが必要である。そのために、皆の意見を反映する場を設け、全ての人が安心出来て住みやすい環境を考えることで互いの違いを理解し合う気持ちが生まれ、共生の精神を育むと考える。そしてそれは、全ての人を性別や文化を超えた対等な一人の人間として人権を尊重することに繋がる。また、自分達の問題として捉えることで、一人ひとりの行動の変化へと繋がっていく。そしてそれぞれが主体的に取り組むことが社会全体の意識改革にも繋がり、文化、民族性の違いによる国際紛争や移民難民問題の解決など、豊かで暮らしやすい社会の実現という成果を導くと考える。(1162字)