傾向と対策

基本的な知識を問う問題に難易度が高い問題が多く出題された。共通テストで出題される知識問題は、正解を全て選ぶ、または正解の組み合わせを選ぶ問題が多い。全ての選択肢で正誤を選択する必要があり、より多くの知識量が要求される 考察問題は多くの受験生が苦戦したと思われる。文章中の情報を抜けなく集め、正確に理解しなければ解答を選べないような選択肢が多かった。情報に抜けがあったり、勘違いしたまま選択肢を見ると正解に見える選択肢が用意されているため、間違いに気づきにくい問題になっていたと感じる。また、生物の単語をただの知識としてではなく、生体や現象として理解している必要がでてきた。透過光とはどんな光なのか、鮎の食物や食物の生育環境まで想像を働かせなければならない問題につまずいた人が多い印象だ。ただの単語の暗記では点数が取りにくくなってきているため、気になったことやわからないことは実物や動画を見るといったことも重要になってくるだろう。

 

大問1

大問1では特に苦戦する問題はないだろう。強いて言えば問4の系統樹を回答する問題に苦戦する生徒がいたかもしれない。 系統樹の作成方法の1つである最節約法と、陸上植物の祖先がシャジクモ類であるという2つの知識が入っていれば回答できる問題である。模試では塩基配列の違いによって系統樹を作成する問題が多く出題されるため、問題の違いに難しさを感じたかもしれない。

 

大問2

大問2では問2が難しかったのではないだろうか。新課程の生物では、遺伝と進化の分野をまとめて教えるような学習指導要領になっている。このことから、遺伝の法則と進化による遺伝子頻度の変化を合わせて考えるようにしていきたいのだと推察される。今回の問2はその例に近い問題だろう 。グラフから2色型、3色型それぞれ有利な条件が生息地に存在する場合、どちらの遺伝子も共存していくという点、 昆虫に対しての言及がない選択肢に関しては、昆虫が存在するという仮定で答えなければいけない点など、文章から読み取るだけでの回答は難しい問題であった。

 

大問3

大問3は見慣れない葉緑体の移動の問題が印象的だった。植物は光が大切、とい直感的な答えとは異なる実験結果だったので戸惑うかもしれない。また、葉緑体の位置と透過光の違いは、植物の吸収スペクトルを理解している必要がある問題だった。植物は緑色→赤と青の光を吸収しているから赤と青の透過光は少なくなるという理解がなければ解けない問題だった。全体的に知識の深い理解が要求されていたと感じる。

 

大問4

大問4では窒素固定・窒素同化についての問題が出された。その中に混ざった生態系のエネルギーが問われている問2は苦手な生徒が多かったのではないだろうか。記述されていない枯死量や不消化排泄量などが腐食連鎖に用いられているということが気づけるかどうかが鍵であった。腐食連鎖はあまり授業や参考書で触れられないため、思いつきにくいかもしれない。

 

 

大問5

大問5では発生に関する問題が出題されている。特に印象に残ったのは、問4の実験内容を考察する問題だ。対照実験を計画するにあたって、実験操作自体が結果に影響を与えていないか確かめる実験(コントロール)が必要になる。これを、特に最初の穴埋めで聞いてくるのが意地悪だと感じる。コントロールの考え方は高校生では思いつきにくいものなので、対策を講じていく必要があるだろう。

 

大問6

大問6では動物の生態から出題されている 問3ではそれぞれの生息地における利益と労力の関係モデルを適切に選択し、回答する必要がある。最後の問題で時間がない中での回答は難しいだろう。問題としては面白く、藻類によって魚が間接的に水深の影響を受けることを考察させる問題であった。文章中から十分に推察可能な問題だが、魚類や藻類に対して理解が深ければあまり時間をかけずに回答することも可能だったのではないだろうか。